国立国会図書館が提供している「レファレンス協同データベース」が面白い。

レファレンス協同データベース

先日見つけたこのサイトが、とても面白かったので御紹介します。
レファレンス協同データベースって?
まずは事業概要を一部引用させていただきます。

レファレンス協同データベース事業は、当館と公共図書館、大学図書館、専門図書館等におけるレファレンス事例、調べ方マニュアル、特別コレクション及び参加館プロファイルに係るデータを蓄積し、並びにこれらのデータをインターネットを通じて提供することにより、図書館等におけるレファレンスサービス及び一般利用者の調査研究活動を支援することを目的とする事業です。


「レファレンス」っていう言葉も、一般の方には馴染みが薄いかもしれませんね。こちらはWikipediaから引用させていただきます。

レファレンスサービス(reference service)とは、図書館利用者が学習・研究・調査を目的として必要な情報・資料などを求めた際に、図書館員が情報そのものあるいはそのために必要とされる資料を検索・提供・回答することによってこれを助ける業務である。

要するにレファレンスとは、何か調べものをするときに図書館員の方が個別に手助けしてくれるサービスなんですね。この事例をまとめて、検索可能にしたものが「レファレンス協同データベース」です。
何が面白いの?
わざわざ図書館員の方に手助けをしてもらうくらいですから、とんでもなくニッチな情報を求めてる事例ばかりなんですよ。それを眺めてるだけ1日潰せそうです(笑)

どれも面白いのですが、パッと目についたのを御紹介しましょうか。以下は秋田県立図書館でのレファレンス事例です。

質問
明治17年頃の本県のきのこ生産量、出荷量について

回答
(1)件名にある明治17年頃のきのこに関する記述としては『秋田県六種勧業別報(第三十二号~第三十九号)』秋田県第一部農商課/編 秋田県 1889.2(請求記号A602/1/(2) 資料番号112411335)内に秋田県六種勧業別報 第34号 明治22年11月分 山林部 民林収益五ヶ年比較表 あり。ここでは明治17年から21年までの表があり、郡別に舞茸・獅茸・滑茸・剥茸等の数字と仕向け先が掲載(例:由利郡分舞茸 50貫000匁   一貫目ノ代 132仕向先)されているが、郡内矢嶋本庄亀田県全体をまとめての数字は掲載なし。(2)『秋田県農林水産累年統計表』秋田県農政部農政課/編 秋田県農政部農政課 1957.10(請求記号A602/16 資料番号111545117)p116に林野副産物の表があり、明治38年から昭和30年までのまつたけ・しいたけ・なめこの年度別収穫量とおぼしき数字の掲載あり。(3)〜以下続く

いやもう僕はこの時点でびっくりしましたよ。まず、それを調べる人がいるということに驚きですし、その資料があるということに驚きました。

もうひとつ御紹介しましょう。香川県立図書館でのレファレンス事例です。

質問
沢田研二はなぜ「ジュリー」と呼ばれるのか?

回答
(1)我が名は、ジュリー 中公文庫 沢田研二/著 中央公論社 1986.12
※p.5に、ジュリー・アンドリュースが好きだったためそうなった、という趣旨の本人のインタビュー記事あり。

(2)ニックネーム20世紀の100人 池田良孝/編著 東京書籍 1999.7
※p.144「ジュリー~サリーやトッポも覚えてくれていますか 沢田研二」の項あり。次のような記述あり。
「「ジュリー」は、ニックネームというよりステージネームというほうが正確かもしれない。自らが名乗った愛称としての芸名なのだ。・・・で、ジュリーアンドリュースが好きだったものだから、ステージで「ジュリーです」と言ったら、そのままジュリーになってしまったのだという。・・・」

(3)アダ名の辞典 Qブックス 岡田光雄/著 日本経営出版会 1973
※巻末の「本書にとりあげた有名人さくいん」で「沢田研二 p.10」を確認。
P.10に次の記述あり。「「ジュリー」ご存知沢田研二の愛称である。たしか、このペットネームはザ・タイガース誕生のとき、芸能雑誌を通じて一般ファンから募集して命名されたものだと記憶している。・・・」

なんでこれを図書館で聞いたんでしょうね(笑) 単純にジュリーのファンだったのか、近代ポップス史を研究していたのか…いろいろと想像が膨らみます。

こんな感じで質問と回答がひたすらデータベース化されてるんですね。しかも2010年4月時点で、登録件数は3万件を突破! これは驚異的ですね。
しかし、感服です。
ただ面白いだけではなく、事例をひとつひとつを眺めてると、図書館員の方の検索能力の高さ、そして真摯にレファレンスをなさっている姿が容易に想像できます。これには感服です。

おそらくレファレンスで質問されることに関しては、彼らは全くの素人だと思うんです。きのこの出荷量について詳しい図書館員なんているはずないですからね。しかし、彼らは同時に「レファレンスのプロ」です。自分がどんなに詳しくない分野、専門的な分野の情報であっても、探し出すことに関してのプロなんです。世間ではあまり知られていないお仕事だとは思いますが、素直にかっこいいと思います。

みなさんも、機会があったらレファレンスを利用してみてはいかがでしょうか。「まさかわからないだろう」と思っているようなことでも、図書館員の方はサっと回答を出してくれるかもしれません。そのとき、きっと彼らがヒーローみたいに見えるでしょう。

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