W杯が終わったと思えば、今度はJリーグが再開。サッカーファンとしては休まる暇がありません。僕のようなサッカーバカがいる一方、今回のW杯での日本代表の躍進でサッカーに興味を持った方も少なくはないようです。これは嬉しい限りですね。
ただ、観戦するときは、最低限のルールがわかっていないと楽しめないんですよね。スポーツは一定のルールに則って行うものですから。サッカーで言えば、ゴールキーパー以外は手を使ってはいけない、相手に危険なタックルをしてはいけない。この辺りは、どなたでもご存知なのではないでしょうか。
それに対して、初心者にはわかりづらいルールの代名詞とも言えるのが「オフサイド」です。
オフサイドとは?
以下のようなルールです。
オフサイドポジションにいる選手に対して、パスを出す事を禁止する
また、オフサイドポジションにいる選手がプレーに関与することを禁止する
この場合のオフサイドポジションとは以下の通り
1.相手陣内にいる。
2.ボールより前にいる。
3.相手の2番目に後ろの選手よりゴールラインに近い位置にいる。
はい、分かりづらいですね(笑) 図で説明してみましょう。
選手Bのいる場所に注目してください。「相手陣内」にいて、「ボールより前」にいて、「相手の2番目に後ろの選手(選手2)よりゴール寄り」にいますね。この場合オフサイドとなり、選手Bがいた位置から相手のフリーキックで試合が再開されます。
なんでオフサイドが必要なの?
簡単に言うと、「待ち伏せ禁止」のためです。
さっきの図では守備の選手がゴールの近くにいましたが、実際の試合で自分のチームが攻めているときは、守備の選手も前の方に位置取ります。そこで攻撃の選手がゴール前に残っていて、待ち伏せしていたら、長いパスでゴールキーパーと1対1の場面を簡単に作れてしまうんですね。これでは、試合がつまらなくなってしまいます。それを防ぐためのルールが、オフサイドです。
分かりづらいオフサイド
中には、パッと見では理解しづらいオフサイドも存在します。
これは選手Aがパスを出してから、選手Bが移動してパスを受けた場合の例です。選手Bの最初の位置取りはオフサイドポジションですが、パスを受けた位置はオフサイドポジションではありません。しかしこの場合は、オフサイドになります。
オフサイドポジションかどうかの判定は、「パスを蹴った瞬間の位置取り」で為されます。なので、オフサイドポジションから戻りながらパスを受けても、判定はオフサイドになってしまうんですね。これは、通称「戻りオフサイド」と言われます。
これは選手Aのシュートの軌道上、オフサイドポジションの位置に選手Bがいたが、選手Bはスルーしてゴールに入った場合の例です。最も分かりづらい例ですが、これもオフサイドになります。(選手Bのアクション次第ではあるんですが…)
最初に書いた条文にあるように、「オフサイドポジションにいる選手がプレーに関与すること」も禁止されています。この場合、選手Bがボールに触ればシュートの軌道が変わるので、実際には触ってなくてもそこに選手Bがいるだけでゴールキーパーは迷ってしまいます。これも「プレーに関与している」と判定されます。
オフサイドではない場合
逆に、オフサイドにはならない例を説明します。先ほどの、オフサイドポジションの定義をおさらいしましょう。
1.相手陣内にいる。
2.ボールより前にいる。
3.相手の2番目に後ろの選手よりゴールラインに近い位置にいる。
逆に言えば、このうち1つでも満たされなければオフサイドにはならない、ということになります。「1.相手陣内にいる」は特に説明の必要はありませんね。コートの手前半分、自陣でパスを回している間は、オフサイドにはなりません。
これは「2.ボールより前にいる」が満たされない場合の例です。選手Bはオフサイドポジションにいますが、パスを出した選手Aよりは後ろにいます。この場合は、オフサイドにはなりません。選手Aがあそこまで敵陣深くに切り込んでいるので、選手Bが待ち伏せしているということにはならないからですね。
これは「3.相手の2番目に後ろの選手よりゴールラインに近い位置にいる」が満たされない場合の例です。選手Bがパスを受けたのはオフサイドポジションですが、選手Aがパスを出した瞬間には選手Bはオフサイドポジションではありませんでした。パスが出てから走り込んだ場合は、オフサイドにはなりません。先ほど書いたように、「パスを蹴った瞬間の位置取り」で判定が為されるためです。
もう1つ例外があります。スローイン、ゴールキック、コーナーキックから直接ボールを受けた場合は、オフサイドになりません。
さらに例外がありました。この図、オフサイドだと思いますよね? 実はこれでもオフサイドにならない場合があります。そう、審判がオフサイドと判定しなかったら、オフサイドではないのです。
まとめ
以上で、オフサイドになる場合、ならない場合のだいたいの例は説明できたかと思います。理解していただけたでしょうか。
今回の図は、選手Bがオフサイドポジションにいることがわかりやすいように描きましたが、実際の試合での判定はセンチメートル単位での微妙なものです。なにせ守備の選手は相手をオフサイドにしようとするし、攻撃の選手はオフサイドを逃れようと動くわけです。双方の動きを同時に見るのは熟練の審判であれ至難の業です。オフサイドの判定は、最も難しいジャッジのひとつと言えます。
しかし、その分この駆け引きは見物なのですよ。攻撃の選手が守備の裏を狙う動きは、さながら獲物を狙うスナイパーのようです。何度オフサイドになっても、執拗に裏を狙い続ける選手を見ていると、得点の期待が高まります。
日本の選手だと、サンフレッチェ広島の佐藤寿人選手、FC東京の大黒将志選手、ガンバ大阪の平井将生選手あたりが国内有数の「スナイパー」に挙げられます。ぜひ注目してみてください。
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