祭りの終わり。そして夜明け。 〜日本代表のW杯雑感〜


日本サッカー史上最高のベスト8という結果を残すべく、パラグアイ代表との決戦に挑んだ日本代表は、惜しくもPK戦での敗退と相成りました。

まず、サッカー日本代表チームの選手、スタッフ、監督、そして応援していた皆さんに「お疲れさま」と言いたいです。自国開催の2002年はともかくとして、過去にこれほど国民が期待し、盛り上がり、悔しがったW杯は過去になかったでしょう。ドイツの絶望から4年。「日本のサッカー」でグループリーグを突破した日本代表を、僕は誇りに思います。
下馬評は最悪でした…。
そもそも今回のW杯、日本代表チームの下馬評は最悪でした。開催前は連日ネガティブな報道が続き、国民の期待も全く高まらない状態でした。前哨戦は4連敗。しかし、選手たちはずっと言っていました。「本番で勝てれば問題ない」と。

それは確かにそうでした。日本のサッカーは運動量が命です。本番に照準を合わせてフィジカルを追い込んでいる時期に、100%の力を発揮するのは難しかったわけですね。後半残り15分で耐えきれない、そんな内容が多かったように思います。
そしてW杯本番!
しかし、W杯が始まってみたら、選手たちは素晴らしいコンディション! 特に松井選手と大久保選手の両翼はキレキレでしたね。驚くほどでした。両サイドが仕掛ける、もしくはボールをキープすることで、周りが適切なポジショニングをすることが出来るようになっていました。チームワークは日本代表史上最高だと思います。カメルーン戦の得点、デンマーク戦の3点目など、まさに良さがでた形でしたね。

カメルーン戦の勝利から、にわかに国が盛り上がっていました。ポジティブな報道も増え、オランダ戦に負けても、みんな「次がある」という気持ちでいたように思います。そして、欧州の強豪デンマークを相手に見事な完勝。これで完全に火が点きました。代表ユニフォーム、そしてブブゼラの売上が激増したわけです(笑)
ベスト8をかけて…。
そして、昨晩のパラグアイ戦。日本は狙い通りだったんだと思います。ブラジルやアルゼンチンですら手を焼く、南米の強豪パラグアイから日本代表が得点するというのは、非常に難易度が高い。ましてや先制されてから得点するのはさらに難しいわけですから、自然とデンマーク戦より引いた形での試合となりました。

しかし、あれだけポゼッションされて、よく失点しなかったなと思います。センターバックの2人、そしてゴールキーパーの川島選手は獅子奮迅の活躍でしたね。サイドバック、そしてミッドフィルダーの選手たちも、よく連携して守っていました。まだパラグアイとがっぷり四つで勝負することは難しい日本代表は、正しい戦略を練って、それを確実に実行していました。

惜しむらくは前線の迫力不足かなと思います。それは個人の力もそうですし、一気呵成に攻撃参加する人数であったり、スピード感でもあります。パラグアイ相手に守りきることはできても、勝ちきることは難しい。今の日本代表のレベルは、現実として、まだそこなんだなあと思います。
祭りの終わり。
PKでの敗退は悔しいですね。本当に悔しいです。終わったあと、ちょっと泣きました。でも、W杯のベスト16で敗退することを「悔しい」と、選手も、サポーターも思えるようになった。それってすごいことですよ。フランスとか、イタリアとかがグループリーグ敗退してる中で、日本が決勝トーナメント進出して、それで負けて「悔しい」わけですから。

日本という国全体のサッカーに対する見方、その基準、ハードルが、今回の大会でとんでもなく上がったんです。メンタリティが、劇的に「勝者のそれ」に近づいた。これを繰り返すことでやっと、伝統的な強豪国と肉薄できるようになるんじゃないかと思います。その第一歩を、今、踏み出せた。数十年後に日本サッカー史を振り返ったとき、ターニングポイントと呼ぶであろう、そんな大会でした。
そして、夜明け。
これで日本にとってのW杯は一区切りですけど、新しい楽しみもあります。次の日本代表です。まず監督が変わって、戦略もある程度変わっていくと思います。さらに、4年後のW杯に照準を合わせて世代交代が進むでしょう。誰が代表に招集されるのか、もうワクワクしています。

また、W杯終了後には、Jリーグも再開します。そういえば、キャプテンの長谷部選手が試合後のインタビューでこんなことを言っていましたね。

(日本代表の)ほとんどの選手がJリーグでプレーしてるので、足を運んで盛り上げてもらいたいです。

試合に負けた直後、しかも本人はドイツでプレーしているのに、日本のサッカー界のことを考えて答える長谷部選手は素晴らしいですね…。これに対しての僕の思いは、さきほどtweetしました。


これが、全てです。
最後に。
日本代表は敗退しましたが、W杯はまだ続きます。言い方は悪いかもしれませんが、現時点で日本代表より遥かにレベルの高いサッカーをしているチームが残り、そんな世界最高峰の国同士の、本気の対戦が観れるわけです。こんなチャンスは滅多にありません。

普段はサッカーを見ない、今回は日本代表が活躍していたから見たという方も、これらをぜひ観てください。詳しくない人でも、その差がはっきりとわかるほどすごいプレーが見れます。

そして、そのレベルを知った上で、日本代表を応援していきましょう。今回のW杯、格上相手に健闘した彼らのすごさが、余計に身にしみます。

プロリーグができて、まだ17年。世界と比べると日本のサッカーの歴史は、実はまだまだ浅いのです。これから成長するべきは選手たちだけでなく、サポーターも同様です。「にわか」とか、関係ありません。今回のW杯を見て、感動した人、全てが素晴らしいサポーターですから。

祭りの終わり。そして夜明け。 〜日本代表のW杯雑感〜 - のらりくらり.com Share on Tumblr

関連記事